阿多田島騒音調査報告 2024年4月

2024年4月9日
岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会
瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク
共同報告書


 私たちは去る3月3日(日曜日)、16日(土曜日)大竹市阿多田島を訪問し、航空機騒音実態調査を行いました。その結果については別添の資料に示す通りです。最初に調査にご協力いただいた阿多田島にお住いのみなさんに心からお礼を申し上げます。調査に先立ち2月27日、あらかじめ趣旨説明文と調査書を各戸に配布しておきましたが、調査で訪問した際には多くの住民の方々がすでに記載された調査書を返してくださり、大変に恐縮いたしました。
 自治会会員は84世帯とお聞きしていますが、53人の調査書を回収することができました。世帯数で計算すると6割を超えることとなり、調査の信頼度は高いものになったと考えています。また多くのご意見をいただきました。その数は30人にものぼります。
 調査書に現れた結果や意見を総合的に勘案すると、阿多田島にお住いのみなさんは岩国基地の航空機騒音については、まさに受忍の限度を超える被害を被っているとの結論に達します。


以下に調査より明らかになった特徴について8点ほど記述いたします。 


1、 問4「航空機騒音のために困っていること」に回答した人は49人になります。実に回答者の9割を超える人がなんらかのことで「航空機騒音に困っている」のです。


2、 問4の1、2、3に〇をした人が多いのですが、その被害は問5「内容がわからなくなる」や問6、問7「まったく話が通じない」が約7割を占め極めて深刻なレベルであることが明らかにされています。


3、 問4の7に〇をした人が多いのも特徴的です。騒音だけでなく不安や恐怖を感じながら生活している実態がわかります。


4、 問12では、農業、漁業の就業中に騒音の大きな被害があることが分かりました。危険なときに叫んでも、騒音で声が聞こえず、怪我をしたという訴えがありました。


5、 問13では、騒音により健康に支障が出ていると 14 人が答えました。具体的には血圧が上がった人が多く、イライラ・ストレスなど精神的な負担の訴えも特徴的でした。


6、 問14、問15では滑走路移転事業や空母艦載機移転など岩国基地の機能強化が住民のみなさんの生活に直接大きな影響を及ぼしていることがわかります。


7、 問16では防音工事がほとんど機能していないことが明らかとなりました。阿多田島での生活を続けようとするなら、抜本的な防音対策が必要であることがわかります。


8、 問17や意見で分かったことですが、行政(国、県、市)への不信・不満も非常に大きいものがあります。どの地域でも行政に対する不信や不満はあるものですが、やはり騒音被害があるにもかかわらず、配慮に欠けるとの思いが強いと感じます。まさに負担ばかり押し付けられているとの印象です。