抗議文

防衛大臣

浜田靖一様

                        瀬戸内海の静かな環境を

                        守る住民ネットワーク

                         共同代表 河井弘志

共同代表 桑原 清

抗議文

 防衛省は本年9月26日の日米合同委員会において、海兵隊のオスプレイMV22が高度300フィートの低空飛行を日本国内で行うことについて合意した旨発表した。

 オスプレイについては2012年沖縄県に配備される際、日米政府は「MV22に関する日米合同委員会合意」(2012年9月19日)を明らかにしているが、ここでは500フィート以上の飛行を行うことが確約されている。今回の合意はこれを破るものであり、米軍の横暴を許す内容である。

 オスプレイは安全性が確立していない航空機と認識しているが、本年8月米空軍はエンジンとローターを接続するクラッチの不具合を原因として、CV22の飛行停止を行った。9月飛行が再開されたが、クラッチの問題は未解決のままである。海兵隊のMV22は、2010年以来10件のクラッチ接続事故が発生しているとされている。米軍の関係者はこのクラッチの問題は解明には時間がかかるとし、海兵隊も空軍も根本的な原因解明は棚上げして、パイロットへの教育や点検・整備の充実などの対策を施しただけで飛行を継続させている。安全性を無視した極めて無責任な対応と言わなければいけない。

 岩国基地はMV22が沖縄県から日本本土や朝鮮半島に展開する際の中継基地であり、MV22は当然のように頻繁に飛来、離着陸を繰りかえしている。今回の低空飛行訓練の実施場所は「沖縄を除く日本国内」とされている。航空法に定める最低安全高度以下で飛行する危険な訓練が岩国基地周辺において強行されることも懸念される。

 今回の日米合同委員会合意は2012年9月19日の合意を反故にする内容を持ち、何よりもこれを契機としてなし崩し的にオスプレイがさらに危険な訓練を日本国内で行なうようになることを危惧するものである。

 本年9月26日の日米合同委員会において、従来の日米合同委員会合意で定められた高度より低空で飛行することを容認したことについて強く抗議するものである。

 併せてクラッチの不具合の根本原因が解明されていないにもかかわらず、10月下旬以降、岩国基地に陸上自衛隊のオスプレイを陸揚げし、試験飛行を行う予定であることについても反対を表明し、抗議するものである。