県知事は本日29日、岩国基地における機種更新等について理解するとのコメントを発表し、容認の立場を明確にした。
県知事は国からの文書回答等を踏まえて、「基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではない」と結論づけたとしている。しかしながら、国からの回答では機体数については、明確な回答はなく、艦載機部隊については「若干増加」「調整する」などの曖昧な表現であり、海兵隊機についても「今後数年かけて約10機減少する」というもので、機体数減の時期は確定的でない。住民への影響を判断するには、まったく不十分な回答である。
CMV22の安全性についても、納得が得られない回答である。昨年11月のCV22の事故の原因がプロップ・ローター・ギアボックスにあることは事故報告書から明白であるが、手順やマニュアルの改訂・整備の頻度を増やすだけで、安全が確保できるのかのように説明している。抜本的な対応はプロップ・ローター・ギアボックスの改良・交換にしかないことは明らかであり、国の示す安全対策は、安全性の確保には程遠い。
県知事は地元市町で理解を示す旨の見解が表明されたことも容認の理由として挙げているが、山口県は広域の地方自治体であり、県知事は県知事として、県民全体の安心・安全をはかる立場からの見解を必要とするものである。また容認の表明にいたる過程において、県議会での審議、全県議への説明やその意見の反映などが割愛されていることは、二元代表制を尊重する地方自治を否定する暴挙とさえ受けとめる。
県知事の本日の岩国基地における機種更新等の容認については、県民の安心・安全を守る立場から、また地方自治体における二元代表制を尊重する立場から強く抗議する。