岩国市長
福田良彦殿 瀬戸内海の静かな環境を
守る住民ネットワーク
共同代表 河井弘志
共同代表 桑原 清
空母艦載機移転について住民生活への影響を軽微とする市長見解の撤回をもとめる申し入れ
福田市長は防衛省が地元自治体に示した騒音予測コンター図などを根拠として、空母艦載機部隊が移転したとしても「騒音・安全性は全体として悪化するとは言えないもの」との見解を明らかにしている。
この見解のもっとも重要な根拠は騒音予測コンター図であると理解される。そもそもこのコンター図はあくまで仮定のものであり、その信頼性は極めて疑わしい。たとえば騒音状況算定の要素とされる飛行経路であるが、中四国防衛局より顧問久米が聞いたところでは「標準飛行経路」を想定したとのことである。「標準飛行経路」とは一般的に計器飛行を行う航空機の飛行経路であり、米軍機は有視界飛行で基地近辺を飛行していることが多い。すなわちこの飛行経路は名前に標準ということばが使用されているが、実態とは大きくかけ離れているものである。
また「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律施行規則」1条1項には、騒音算定方法は「時間帯補正等価騒音レベル」(Lden)を採用することが決められているが、今回のコンター図は旧来の「加重等価継続感覚騒音レベル」(WECPNL)を使用している。これでは現在の法律に基づいた、最新の知見に基づく騒音予測とは言えない。
以上からコンター図から住民生活への影響を正確に判断することは不可能と考えられる。
また現在示されているコンター図からも市長のいうような見解は導き出されない。市長は75W地域の面積にのみ注目し、平成18年と比べている。しかし環境基本法16条は「生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい基準」としてⅠ類型57デシベル(W値では70)Ⅱ類型62デシベル(W値では75)を示している。
70Wの範囲についてはH18年と比べると岩国市内では立石・新港・装束地域、神東地域で大きく広がっている。これらの地域は(一部国道沿いを除けば)平常騒音は少なく、住民は平穏に暮らしている。かつこの地域には装港小学校、みはと幼稚園(平成28年から休園)、麻里布保育園、神東小学校などの教育・福祉施設が存在している。
コンター図からも判断されることは、空母艦載機部隊の移転は広範な市民に新たな騒音被害をもたらすものであり、とりわけ子どもたちの教育を受ける権利を侵害し、子どもたちの健やかな成長を阻害するものといえる。
以上の点を指摘し、以下の二点について申し入れる。
記
