2024年6月3日
岩国市長
福田良彦様
瀬戸内海の静かな環境を
守る住民ネットワーク共同代表 桑原 清
自衛隊V22の陸揚げ・試験飛行に抗議することを求める申入れ
本年5月27日、すでに防衛省より通告されていたところではあるが、陸上自衛隊木更津駐屯地に配備予定のオスプレイV223機が米艦船により輸送され、岩国基地に陸揚げされたとのことである。今後岩国基地においてそれぞれの機体が試験飛行を行い、木更津駐屯地まで移動する予定とされている。
米軍は昨年12月6日以来オスプレイの運用を停止していたが、3月8日飛行許可を発出した。防衛省はこれに追随する見解を発表している。防衛省が3月発表した「オスプレイの運用再開に向けた確認作業と運用停止措置の解除」によれば、事故の原因が機体のどの部分のどの部品にあったかが明らかにされず、どのような不具合であったのかも公表されていない。また防衛省の示している安全対策は「異常探知システムによる予防的点検と維持整備の頻度の増加」
「航空機の整備記録の確認」「「通常時・緊急時の搭乗員の手順の更新」「運用計画の更新」であり、あくまで対処療法的な対策である。部品の交換・改良などの抜本的な対策は示されていない。また運用再開に向けたアプローチについても終了していることは確認されていない。オスプレイの飛行・運用における安全が確認されたとは到底認めることはできない。
琉球新報5月18日の記事は、米軍事情報サイト「ミリタリー・ドット・コム」が、米軍のオスプレイの飛行範囲について緊急時に着陸できる飛行場から30分以内の空域に限定していると報じたとしている。米軍も現時点でのオスプレイの安全性について確認できていないと考えられる。
米海兵隊のMV22、自衛隊のV22が日本に配備される際、全ての機体が岩国基地に陸揚げされ、試験飛行を行っている。岩国市民にとってはあまりに理不尽な負担である。現時点でオスプレイの安全性が確認されない以上、今回の陸揚げ・試験飛行は当然に行われるべきではない。
岩国市におかれては、陸上自衛隊V22の陸揚げ・試験飛行について、米軍・国に対して強く抗議することを求める。