2024年5月24日
岩国市長
福田良彦様
瀬戸内海の静かな環境を
守る住民ネットワーク共同代表 桑原 清
遠征洋上基地ミゲルキースの入港に抗議を求める申入れ
本年5月21日午後、米海軍遠征洋上基地ミゲルキース(ESB5)が岩国基地に入港・接岸した。過去ミゲルキースは2021年10月、2022年1月、4月、5月とわずか8か月の間に4回も入港している。岩国基地がミゲルキースにとって、定期的な寄港地として位置づけられたことを示すものであった。
ミゲルキースは単なる輸送船ではない。基準排水量が8万トンを超える大型艦船であり、飛行甲板や指揮通信施設などを備える文字通り「動く海上基地」である。一部報道によると、ミゲルキースは台湾有事への対応などを念頭に訓練などに参加し、重要な軍事的な役割を持ち西太平洋で展開を続けているとされている。
ミゲルキースの入港にあたり、米軍はその目的・滞在期間などを明らかにしていない。このような軍事的に重要な意味を持つ大型艦船が入港したにもかかわらず、目的・滞在期間など当然に明らかにされるべき事項が公表されないということに、市民の不安は増すばかりである。また従来公表されてきた項目を米軍が明らかにしないということは、情報公開の後退であり、岩国市・岩国市民を軽んずる行為以外の何物でもない。今後このような情報提供の制限が日常化することは絶対に容認できない。
岩国市は従来より「軍艦等の母港、寄港地とならないようにする」「定期的な寄港地とならないようにする」との対応であったと認識しているが、過去の入港実績と今回の情報公開の不十分さなどを考える時、ミゲルキースが今後岩国基地に定期的入港を計画していることが危惧される。
岩国市においては、ミゲルキースの入港、情報公開の後退について、米軍・国に対して抗議するべきであり、その旨申入れる。