MV22オスプレイの岩国基地飛来に反対する申し入れ

2023年7月28日

岩国市長

福田良彦様

瀬戸内海の静かな環境を

守る住民ネットワーク

共同代表 桑原 清

 

MV22オスプレイの岩国基地飛来に反対する申し入れ

 

米海兵隊は7月、「2022年6月8日にカリフォルニア州で発生したMV22Bオスプレイ事故に関する調査報告」を発表した。発表によると、5名が死亡したこの事故はエンジンとローターを接続するクラッチの不具合(HCE・・ハード・クラッチ・エンゲイジメント)が原因と断定している。私たちはオスプレイは安全性が確保できていない航空機ということを指摘してきたが、今回の調査報告書においてオスプレイが構造上に重大な欠陥をもつ航空機であることが証明された。

米海兵隊は以前よりMV22のHCEについて認識していながら、安全に運用できる手順を確立しているなどとして十分な対策を講じてこなかった。このことは米海兵隊が安全性を疎かにしてきた事実であり、重大である。調査報告書によれば、依然としてHCEの根本原因は解明されていないとされている。

岩国基地はMV22が沖縄県から日本本土や朝鮮半島に展開する際の中継基地であり、頻繁に飛来し離着陸を繰り返している。MV22の安全性が確認されないことが明らかになった以上、地元自治体としても新たな対応が求められる。

米軍はインプット・クイル・アセンブリを800時間ごとに交換することにより、HCEを99%減ずることができるとしている。99%が航空機の安全を確保するうえで十分な数得値とは考えられないが、岩国基地に飛来するMV22がすべてこの基準が守られていることさえも私たちには確認できない。

日米合同委員会は先日、MV22が航空法で定める安全高度150mを大きく下回る200フィート(約60m)まで飛行することについて合意した。構造的な欠陥を持つMV22がこのような危険な高度で日本本土を飛行することは絶対に容認できない。以上より下記について申し入れる。

 

  • HCEの根本原因が解明され抜本的な対策が取られるまで、MV22の岩国基地への飛来については反対を表明すること。
  • 岩国基地に飛来するMV22について、インプット・クイル・アセンブリの使用時間が800時間以内であることを国・米軍に確認すること。
  • MV22の飛行高度を200フィートまで容認する日米合同委員会合意については撤回を国に求めること。