2025年4月11日
岩国市長
福田良彦様
瀬戸内海の静かな環境を守る
住民ネットワーク
共同代表 藤川俊雄 鳥家治彦
久米慶典
フレンドシップデーでのCMV22展示飛行の中止を求める申し入れ
米軍岩国基地は5月4日に行われる今年のフレンドシップデーの内容を去る4日発表した。それによると当日は昨年あたらしく岩国基地に配備された海軍のオスプレイCMV22の展示飛行と地上展示を予定しているとのことである。
オスプレイについては近年、重大事故が続き、その安全性が米本国においても問題視されている。一昨年11月の空軍オスプレイの墜落事故後、約3か月の飛行停止処分が課された。昨年12月には事故を受けて、やはり約2週間におよび飛行が停止されている。海軍・海兵隊・空軍の軍種を問わず、オスプレイの安全性には疑問が呈されている。
今年2月公表された2025年度海兵航空計画では、現在オスプレイについて改善・改良が行われていることが記されている。「計画」によればオデッセイと呼ぶセンサーが設置される予定で、これはPRGB(プロップローターギアボックス)とドライブトレインの重要な部分を監視するとされている。整備の際に、不具合を予想させる振動のサインを出し、事故に先立って部品の取り換えを可能にするとのことである。
また純度を高めたトリプルメルトスティールと呼ぶ金属を、PRGBの内部の原材料にすることも予定し、そうなれば重要なギアとベアリングの損傷については劇的に削減されるとしている。さらにハードクラッチエンゲイジメントの対策として新しくインプットクィルアセンブリを設計しているとのことである。
米軍はオスプレイの安全性の確保のためにオスプレイを改良している最中であり、それは翻って現時点ではオスプレイの安全性が確立していない証左である。
昨年12月の飛行停止解除にあたり、米軍は一部の機体に新しく飛行制限を課しているが、岩国基地のCMV22がその対象であるのかどうかを米軍は明らかにしていない。飛行制限が設けられている機体は新しい機体とされており、岩国基地配備の機体がその対象になっている可能性は高いと考えられる。
安全性が確立しておらず、情報の公開も十分に行われていないCMV22をフレンドシップデーに登場させ、多くの観衆にいかにも問題がない機体であるようにアピールすることは、フレンドシップデーの悪用であり、本来の趣旨から外れるものと判断する。以下申し入れる。
記
- CMV22のフレンドシップデーでの展示飛行・地上展示については中止を国・米軍に求めること
- CMV22が昨年12月新しく飛行制限が課された機体かどうかについて、国・米軍に情報の公開を求めること
