7月15日国は岩国市に対して、岩国基地配備の航空機についての機種変更を通告してきた。内容は艦載機部隊の戦闘攻撃部隊のうち1個を旧式のFA18Eスーパーホーネットから最新のF35CライトニングⅡに、老朽化したC2グレイハウンド輸送機をやはり最新のCMV22オスプレイに変更するというものである。海兵隊も将来の計画として旧式のFA18ホーネットの部隊が、F35Bに交代するとのことである。機体数については不明の点も多いが、総体的に機能強化は著しく進むと受け止めざるをえない。
CMV22については、単純にC2の機種交代とは言えない。7月15日付米海軍のニュースリリースによれば、海軍のオスプレイは「航続距離の増加、貨物の積み下ろしの高速化、空中給油能力、生存性の向上、見通し線外通信の強化」(仮訳)を抱合するとされている。C2より多用途の任務に就くことは明白である。多様な任務に就くということは、その機体数も増加すると考えなければならない。とりわけ空中給油任務ということになれば、C2の数倍の機体数になると予想される。CMV22については任務上も数的にも機能強化になると断ぜざるを得ない。
オスプレイが安全性の確認できない、危険な航空機であることは11月の屋久島沖での墜落事故に鑑みても明白である。事故後オスプレイは原因解明とその対策のために3月14日まで運用を停止していた。運用再開にあたり、米軍は「事故の原因となった部品は特定した」としているが、事故の原因が機体のどの部分のどの部品であったかは明らかにされておらず、どのような不具合であったかも公表されていない。また部品の交換・改良などの抜本的な対策も示されていない。本年6月12日の米議会の公聴会において、アメリカ海軍航空システム司令部の司令官は「安全性と任務遂行能力の確認が完了するまであと6か月から9か月かかる」としている。このようなオスプレイを岩国基地に配備することは市民の安全を蔑ろにするものである。
今回の機種変更は、明らかに機能強化であり、市民生活にもたらす負担は大きい。。岩国市長におかれては、国が通告した機種変更については、断固として反対の立場を国・米軍に表明することを求めるものである。