強襲揚陸艦トリポリの無通告入港に抗議を求める申し入れ

岩国市長

福田良彦様

                        瀬戸内海の静かな環境を

                        守る住民ネットワーク

                          共同代表 河井弘志

共同代表 桑原 清

強襲揚陸艦トリポリの無通告入港に抗議を求める申し入れ

 5月20日午後、最新の米強襲揚陸艦トリポリが岩国基地に入港・接岸した。この入港は事前に岩国市民に知らされておらず、報道によると入港目的は補給・休養とのことである。岩国基地には昨年(2021年)秋から米海兵隊の作戦に参加する強襲揚陸艦、洋上基地艦、ドック型揚陸艦が相次いで入港し、補給などを行っている。このような港湾使用は以前には見られなかったことであり、岩国基地の軍事的な位置付けが変化し、危険な役割が増大していると考えられる。

 第一海兵航空団は5月17日付で、岩国基地所属VMFA242部隊が16機体制となり、かつ完全作戦能力を獲得したことを宣言した。岩国基地所属F35B部隊、VMFA121とVMFA242はそれぞれ6機を強襲揚陸艦の分遣隊として派遣することが可能になった。このことは強襲揚陸艦アメリカだけではなくトリポリにも岩国基地所属F35Bを搭載することができるようになったことを意味する。今回のトリポリ入港とは無関係ではないと考える。

 5月20日付岩国基地DVIDSはトリポリの入港に関して岩国基地を「最新の海軍・海兵隊の統合に寄与する基地」とし、米海兵隊の対中国の新しい世界戦略において重要な位置にあることを明らかにしている。米軍において岩国基地を補給などの拠点に、また米艦船の恒常的な寄港地にしようとしていることは明白である。今回のトリポリ入港は岩国基地の港湾施設における機能強化を示すものであり、絶対に容認できない。

 岩国市は定期的な米軍艦船の入港については反対の立場としているが、昨年秋からの米海兵隊の作戦に参加する艦船の入港はまさに定期的である。今回のトリポリの入港については明確に反対の立場を明らかにするよう申し入れる。

 また市民への無通告の入港は断じて許しがたく、国・米軍に抗議するよう申し入れる。