米軍による情報公開の後退について抗議する申入れ

岩国市長

福田良彦様

                        瀬戸内海の静かな環境を

                        守る住民ネットワーク

                        共同代表 河井弘志

共同代表 桑原 清

米軍による情報公開の後退について抗議する申入れ

 昨年3月空母艦載機部隊の厚木基地からの移転を契機として、岩国基地の航空機騒音被害は以前と比べ格段に増大している。また岩国基地所属機の事故も頻発しており、岩国市民は異次元の米軍基地被害に悩まされるようになったと認識している。

 このような状況の中、市民の不安を軽減し米軍の運用改善をもとめるためには情報公開の徹底が求められるところである。しかし最近の米軍による情報公開は逆に後退が著しい。滑走路時間外運用の通知は訓練の主体が米軍か自衛隊か明らかにされなくなった。また一部報道によれば米軍は海兵航空隊のUDP(部隊配備計画)によるローテーション配備については部隊名の発表を中止するようにしたとのことである。米軍の対応は市民・地元自治体の意向とはまったく逆行するものとなっている。

 時間外運用の通知の問題では、米軍と海上自衛隊は国籍の違うまったく別の組織である。一体的に運用を取り扱うことはそもそもありえないことである。憲法違反の安保法制においても集団的自衛権の行使は存立危機事態において認められるものであり、平時において米軍と自衛隊の運用を一体的に取り扱うことは憲法違反・安保法制違反にもつながる危険な対応である。

 ローテーション配備の部隊名公表は長年実施されてきたことであり、市民への最低限の情報開示であり、事実であるなら許されることではない。

 情報公開は民主主義の基本原理であり、後退することは絶対に容認できない。

 岩国市長におかれては、この問題について米軍に対して毅然と抗議し、滑走路時間外運用の訓練主体を明らかにすること、ローテーション部隊名の公表を再開することを米軍・国に求めることを申し入れる。