米空軍機・陸軍機の展開による基地機能強化に反対する申入れ

岩国市長

福田良彦様

                            瀬戸内海の静かな環境を

                            守る住民ネットワーク

                             共同代表 河井弘志

共同代表 桑原 清

米空軍機・陸軍機の展開による基地機能強化に反対する申入れ

昨年来岩国基地には空軍機の飛来・展開が著しく増加している。昨年末12月16日には米本国エルスワーク基地所属の戦略爆撃機B1Bが2機飛来した。また今年3月12日から4月5日まで米本国ハワイヒッカム基地所属のF22が6機展開、岩国基地所属機や航空自衛隊機と激しい訓練を繰り返した。三沢基地所属のF16は本年2月24日と5月2日飛来し海兵隊部隊から給油を受けていることが確認されている。このような事態は以前には見られなかったものであり、米軍の戦術、戦略の変化は明らかである。

2018年1月の米国国防長官による「国家防衛戦略」は「作戦上は予測不可能」という主張を掲げ、動的戦力運用(Dynamic Force Employment)を実現するとしている。このために軍種(陸・海・空・海兵)の壁が低くなり、統合された軍の動きが活発になっている。また自衛隊との共同も一層進められようとしている。

本年3月岩国市に寄せられた航空機騒音の苦情件数は565件で、令和2年度ではもっとも多い数字となっている。また騒音測定回数は川口町1丁目で1411回(空母艦載機移転以来2番目に多い)、尾津町5丁目では1746回となり、空母艦載機移転以来最多の数字となっている。この騒音被害がF22部隊の展開に要因があることは明らかである。F22と海兵隊機を中心とした岩国基地所属機が共同で訓練を行い、一層の騒音被害を生じたさせと考えられる。

岩国基地には最新鋭戦闘攻撃機F35Bが配備されており、F35Bと空軍機の統合的な運用を目指していることが窺える文献が多くみられる。岩国基地は沖合移設事業で拡大され、訓練空域も空母艦載機の移転に伴い広大なものとなっている。部隊の展開のスペースもあり、訓練機会も確保される状況にあり、岩国基地への空軍部隊のさらなる展開を危惧するものである。そうなれば事故・騒音被害など市民生活への被害は甚大なものとなる。

本年6月24日岩国基地港湾施設に陸揚げされた米陸軍AH64ヘリ4機については、日米合同演習オリエントシールドに参加するものである。令和1年9月にはやはり米陸軍UH60がオリエントシールドに関連して飛来、伊予灘で海上自衛艦ちはやへの着艦訓練を行っている。米陸軍にしても岩国基地は演習参加の要石となっており、市民生活を脅かす事態となりつつある。以上より下記の点について申し入れる。

1、米空軍・米陸軍による岩国基地使用については反対の立場を表明すること。

2、米空軍・米陸軍が岩国基地を使用する場合は、あらかじめ通告をするように国に求めること。

以上