自衛艦いずもに岩国基地所属F35Bを配備することに反対する申し入れ

岩国市長

福田良彦様

                           瀬戸内海の静かな環境を

                           守る住民ネットワーク

                            共同代表 河井弘志

共同代表 桑原 清

自衛艦いずもに岩国基地所属F35Bを配備することに反対する申し入れ

 本年9月30日、自衛艦いずもは岩国基地内港湾施設に入港した。目的は「いずも」がF35Bを搭載するにあたっての検証作業の準備のためとしている。「いずも」、「かが」はF35B搭載配備のための改修が行われているが、これは事実上の両艦船の空母化であり、従来より政府が主張してきた専守防衛を逸脱する危険な動きであり、また日本国憲法9条にも反するもので、強く日本政府に抗議するものである。

 今回の「いずも」寄港で、将来「いずも」「かが」に搭載配備されるF35Bが岩国基地所属機である可能性が極めて大きいことが明らかとなった。このことは岩国市民の生活に重大な影響を及ぼすものである。

 英国空母クィーンエリザベス打撃群が西太平洋で演習を行ったことは記憶に新しいが、クィーンエリザベスには米海兵隊F35Bも搭載されていた。本年9月1日付米海軍協会ニュースにおいて、米海兵隊総司令官デビッド・バーガーは米海兵隊のF35Bを自衛艦に配備、運用する計画であることを明言している。米軍はNATOに準ずる対中国包囲網を西太平洋諸国間で構築しようとしているが、「いずも」「かが」に岩国基地所属のF35Bを搭載するとなれば、岩国基地の拠点基地化は一層進む。このことは相手国からの攻撃対象になることも含めて、岩国市民の平穏な生活の確保をさらに難しくするものである。

 岩国基地所属F35Bは、現在佐世保配備の強襲揚陸艦アメリカに搭乗、運用されているが、アメリカに搭載される前に沖縄県伊江島で着艦訓練が行われていると認識している。「いずも」「かが」に岩国基地所属F35を搭乗させるとなれば、岩国基地において事前の着艦訓練が行われる可能性が極めて大きくなる。F35Bといえども着艦訓練は市民生活に甚大な被害を与えることは明白である。

 岩国基地港湾施設は、滑走路移設事業前の運用を超えるものであってはならないと考えるが、最近の港湾施設の軍事利用は目に余るものがあり、今回の「いずも」入港もそれを上回るものであり、到底容認できるものではない。

 今回の「いずも」入港の防衛省からの通知は当日の午前に行われており、地元自治体を軽んじているとしか言いようがない。以上より、以下の点について申し入れる。

1、自衛艦いずも、かがに岩国基地所属F35Bを搭載、運用することについては反対の立場を明らかにすること。

2、F35Bの岩国基地での着艦訓練は容認しないこと。

3、港湾施設については滑走路移設事業前の運用とするよう国、米軍に求めること。

4、市民生活に影響を及ぼす訓練、事故、運用については、地元自治体を尊重し速やかに通知、報告するよう国、米軍に求めること。