オスプレイの飛行再開に抗議する申入れ

2024年3月29日
防衛大臣 木原 稔 様
岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会
共同代表 池上 忍 菊間みどり
西浦紘子 吉田正裕
瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク
共同代表 桑原 清
事務局長 久米慶典

オスプレイの飛行再開に抗議する申入れ
米軍は昨年12月6日以来運用を停止していたオスプレイについて、3月8
日飛行許可を発出し、運用停止を解除する旨発表した。防衛省はこれに追随し、
同日「事故の原因となった部品の不具合は特定されたと認識しており、当該不具
合に対する各種の安全対策の措置を講じることで、安全に運用を再開できると
考えています。」との見解を発表している。
防衛省が発表した「オスプレイの運用再開に向けた確認作業と運用停止措置
の解除」によれば、事故の原因が機体のどの部分のどの部品にあったかが明らか
にされず、どのような不具合であったのかも公表されていない。また防衛省の示
している安全対策は「異常探知システムによる予防的点検と維持整備の頻度の
増加」「航空機の整備記録の確認」「通常時・緊急時の搭乗員の手順の更新」「運
用計画の更新」であり、あくまで対処療法的な対策である。部品の交換・改良な
どの抜本的な対策は示されていない。
3月8日付米海軍航空システム司令部のプレスリリースを見ても「リスク軽
減措置の策定を行った。」「整備及び手順の変更が実施された。」などとするばか
りで、事故の原因に基づく抜本的な対策は示されていない。にもかかわらず、3
月14日沖縄県では海兵隊がオスプレイの飛行を強行している。
岩国基地には現在2機のCV22オスプレイが駐機していることが確認され
ている。今後岩国基地周辺上空での試験飛行が予想されるが、事故の原因と抜本
的な再発防止対策が明らかにされていない現状下では、岩国基地周辺住民の不
安はとてつもなく大きなものとなっている。また岩国基地は海兵隊・空軍のオス
プレイそれぞれの中継基地として頻繁に使用されており、飛行再開は周辺住民
には到底容認できないものである。オスプレイの飛行再開の日米の決定に強く
抗議するものである。
防衛大臣におかれては、住民の安心・安全の確保・実現のため、米軍に対して
事故原因の公表と抜本的再発防止対策を求めるよう合わせて申し入れる。