米陸軍が岩国基地港湾施設を使用することについて反対を求める申入れ

岩国市長

福田良彦様

                        瀬戸内海の静かな環境を

                        守る住民ネットワーク

                          共同代表 河井弘志

共同代表 桑原 清

米陸軍が岩国基地港湾施設を使用することについて反対を求める申入れ

 本年8月24日岩国基地港湾施設に米軍の高速輸送艦グアム(T-HST-1)が入港、接岸した。岩国基地のDVIDSによると、今回の入港は現在実施されているオリエントシールド2022の一環とされている。オリエントシールドは米陸軍と陸上自衛隊の共同演習であり、昨年のオリエントシールドでも米陸軍が攻撃ヘリ・アパッチを陸揚げしたことが記憶に新しい。DVIDSによると今回、米陸軍は兵站作戦(logistic operation)ということで車両、装備、物資を荷揚げしている。また画像では兵隊が同乗していたことも確認できる。昨年12月米陸軍は日米共同指揮所演習の一環として、揚陸艇を岩国基地港湾施設に入港させている。米陸軍が頻繁に演習のために岩国基地港湾施設を使用していることは重大である。

 昨年12月の揚陸艇の接岸では、広弾薬庫から地対空ミサイル・パトリオット(PAC3)を運びこんだことが明らかになっているが、その際沖縄嘉手納基地に駐留する1-1防空砲兵大隊(第一防空砲兵連隊の第一大隊)所属の兵隊がPAC3を受けとっている。今回の入港においてもPAC3を運用する1-1防空砲兵大隊の兵隊がグアムに乗船していた。1-1防空砲兵大隊の部隊展開に関連して、米陸軍が岩国基地を輸送基地として継続的に使用すること危惧せざるを得ない。米軍は岩国基地を航空施設と港湾施設が併設されていることにより、戦力の動的運用に寄与する位置にあるとしている。今後も米陸軍が岩国基地港湾施設を定期的に使用することが懸念される。

 米陸軍が演習のたびごとに定期的に岩国基地を使用することは、明白な軍事的な機能強化である。ウクライナ戦争が長期化し、戦争が身近に感じられるようになった現在、市民はこのような基地機能の強化に不安を感じている。

 岩国市におかれては、今回の高速輸送艦グアムの入港については国・米軍に抗議し、今後米陸軍の岩国基地港湾使用については反対の意思を表明するよう申し入れる。