オスプレイの超低空飛行を容認する日米合同委員会合意の撤回を求める申入れ

2023年9月5日

防衛大臣

浜田靖一 殿

岩国基地の拡張・強化に反対する

広島県住民の会

共同代表 池上忍

共同代表 菊間みどり

共同代表 吉田正裕

瀬戸内海の静かな環境を守る

住民ネットワーク

共同代表 桑原清

オスプレイの超低空飛行を容認する日米合同委員会合意の撤回を求める申入れ

 

日米両政府が米海兵隊のMV22オスプレイについて、日本の航空法で定める最低安全高度150メートル(約500フィート)を大きく下回る約60メートル(200フィート)での訓練に合意したことが明らかとなった。

オスプレイは回転翼モードと固定翼モードをもつ特殊な機体で、開発時から重大事故を重ね、安全性が確立していない航空機と言える。昨年6月8日米本国で発生したMV22オスプレイの事故は、先ごろ公表された調査報告書によると、エンジンとローターを接続するクラッチの不具合(HCE‥ハード・クラッチ・エンゲイジメント)が原因と断定されている。オスプレイが構造上に重大な欠陥を有する航空機であることが証明された。

欠陥機のオスプレイが200フィートという超低空で飛行することは、極めて危険な状況を作り出すと言わざるを得ない。合意文書によれば、超低空飛行を行う場所は沖縄県を除く日本国内の山岳地帯の訓練航法経路とされているが、その図は公表されていない。実施時間は午後10時までの夜間飛行が予定されている。

中国地方には広島県・島根県・山口県にまたがる広大な訓練空域エリア567が設定され、また中国山地を縦走するように飛行経路ブラウンルートも存在している。岩国基地はMV22オスプレイが沖縄県から日本本土や朝鮮半島に展開する際の中継基地とされ、事実上のMV22オスプレイの本土の母基地となっている。岩国基地の目と鼻の先にあるエリア567や関西方面への経路となるブラウンルートでの超低空飛行の強行は可能性が高いと判断されるべきである。オスプレイの超低空飛行、とりわけ夜間での飛行は極めて危険性が高いものであり、いかに山岳地帯で行われると強弁しても、ひとたび墜落事故などが起きれば、住民生活には大きな影響が及ぶ。以上より、下記の点について要請する。

 

 

  • オスプレイの超低空飛行を容認した日米合同委員会合意を撤回すること。

 

  • 訓練航法経路の公表など、超低空飛行に関する情報を開示すること。